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訪問看護師に向いている人・向いていない人の特徴は?現役訪問看護師が解説

仕事内容

現役訪問看護師の私が訪問看護師に向いている人や、病棟やクリニックとの仕事内容の違いを解説します。

看護師歴16年、訪問看護師歴7年の私が解説します。

訪問看護師に向いている人

訪問看護師に向いているのは以下のような人です。

  • 限られた時間の中で1対1でしっかりケアをしたい人
  • ルーティーンが苦にならない方
  • ケアマネジャーさん、訪問診療のドクター、ご家族等関わる人数も多いのでコミュニケーションをとることが得意な方
  • ご家庭でのケアになるので物品などもその場にあるもので代用したりすることも多いので、臨機応変で柔軟な発想力をするのが好きな方
  • プライベートの時間、ワークライフバランスを重視する方
  • 車の運転が得意な方(必須ではありません)

になります。

1対1でしっかりケアをしたい人

訪問看護は、1人で訪問を行うことがほとんどです。そのため患者さんやその家族とのコミュニケーションが病棟看護師よりも密になります。患者さんの状態を注意深く観察し、適切なケアを提供することが必要です。
1対1でのケアをしたい人にとって訪問看護は向いています。

ルーティーンが苦にならない方

訪問看護は決められた曜日と時間に決められた処置をすることがほとんどになります。
ケア内容は訪問看護指示書によって決まっているのでルーティーンをこなしていきたい方には向いています。

コミュニケーションを取るのが得意な方

訪問看護師がコミュニケーションを取る相手は一般の看護師よりも多岐にわたります。
コミュニケーションを取る相手は

  • 患者さん
  • 患者さんの家族
  • 医師
  • ケアマネージャー
  • 地域の保健師

と、外部とのやりとりも必要になってきます。

最近ではLINEやチャットワークなど活用して一斉送信でいち早く情報を送っている事業所がほとんどです。
また、関係機関共通のアプリを用いて、外部の訪問診療やケアマネージャーさんと写真などを共有し情報がより的確に伝わるようにしている事業所もありますのでコミュニケーション方法については便利になってきています。

仕事での報告連絡相談やコミュニケーションの会話が嫌でない方にとっては向いていると言えます。
あくまで仕事としてのコミュニケーションなので、おしゃべりが上手である必要はありません。

柔軟に動くのが好きな方

訪問看護は主にお家でのケアや通院・退院の付き添いのサポートになります。
そのため医師がいない状況で柔軟に対応することが重要になります。
緊急対応としては、患者さんの病状が急変した場合や、医療機器のトラブル、異常があった場合などに行われます。
基本的なケア内容や対応の際の注意すべきリスクは医師とケアマネージャーが作成する訪問看護指示書があるので想定外のことは滅多に起きませんが、トラブルがあった時の対応とその報告では柔軟性が大事になります。

プライベートの時間、ワークライフバランスを重視する方

プライベートの時間を重視する方も訪問看護に向いていると言えます。
訪問看護は夜勤がない(オンコールはあります)ため夜勤ありの勤務よりも体力的にも時間にもゆとりがあります。
夜勤のある看護師はきついなと思った方や、体力的に厳しくなってきたベテラン看護師さんが訪問看護に挑戦しているケースも多くあります。
最近ではOJTや教育プログラムが充実している訪問看護ステーションもあり、新卒で訪問看護師になる方も増えています。

このような看護師さんで訪問看護に興味がある方は思い切って始めてみるのがいいかもしれません。

車の運転が得意な方

都市部の訪問看護は電車での移動も多いため、車の運転ができることは必須ではありません。

事業所によっては車の運転が必須な場合もありますので車の運転が好きな方、得意な方には向いていると思います。

訪問看護師に向いていない人

訪問看護師歴7年の私が、あまり向いていないな、と思うのは

  • 高度医療を極めたい方
  • 退院にやりがいを感じる方
  • 少しでも多くお給料が欲しい方

です。以下で詳細を解説していきます。

高度医療を極めたい方

訪問看護は自宅と通院退院時にできるケアに限られるため、高額で規模の大きな最新の医療機器を使ったり、難易度の高い病気の治療、集中治療室のような急変がとても多い状況を担当することはありません。

しかし最近では、自宅で輸血が行えたり、PCAポンプという機械を使用して心不全の治療も行えたり在宅での医療も高度になってきているので在宅を究めたいという気持ちがある看護師さんはチャレンジしてみるのも良い経験になるのではないでしょうか。

退院にやりがいを感じる方

病棟看護師のやりがいの一つとして、患者さんの容体が良くなり退院できるようになった時の喜び、があります。
訪問看護では継続したケアのお仕事になりますので、「退院」のような大きな区切りはないためやりがいの種類が異なります。

訪問看護でのやりがいは、患者さんや家族との信頼関係を深めることや、患者さんの生活に合わせた看護をすることや、患者さんの生活の質が少しづつ向上することにありますの。

やりがいを重視される方は、退院という区切りを重視する場合は前者は病棟に向いていて訪問看護には向いてない、継続したサポートや信頼関係を重視する方は訪問看護に向いていると言えるでしょう。

少しでも多くお給料が欲しい方

フルタイムで働く訪問看護師の月額の平均給与は33万7000円 (2014年)
看護師全体の正規職員の平均月額給与は38万1700円 (2021年)
と、月収の5万円ほどの差があります。
理由は訪問看護師は夜勤がないという部分が大きいです。
少しでも多く稼ぎたい、給与を上げたい方は訪問看護にはあまり向いていません。
しかし、訪問看護でも管理職では年収600万円から700万円程度になることもあります。

訪問看護でもブラックな職場はあるのか

訪問看護にもきつい、ブラックな環境はあります。
具体例は以下で紹介しています。

訪問看護とクリニック、病棟で働き方の違い

訪問看護師の仕事で病棟やクリニック勤務の看護師と大きく違うのは

  1. 仕事の指示が訪問看護指示書に基づいて行うこと
  2. 医療保険、介護保険、保険外で内容が変わること
  3. 働く場所の違い

です。以下でそれぞれを詳しく解説していきます。

ケアマネージャーと医師の『訪問看護指示書』のもとに行う

訪問看護師の仕事は、医師の書いた『訪問看護指示書』に基づいて行います。 病棟やクリニックではその場にいる医師の指示を仰ぐことができますが、訪問看護では現場にいる医療従事者が看護師一人だけという状況が多いので指示書としてあらかじめ看護師の行うケア内容な注意点などが記載されています。

訪問看護指示書の内容

訪問看護指示書には、具体的には以下のような内容が記載されています。

  • 患者の基本情報(氏名、生年月日、住所など)
  • 診断名や治療の目的
  • 看護の必要性とその詳細(必要な看護の項目、頻度、時間など)
  • 看護師が行うべき処置やケア(例:創傷ケア、注射、バイタルサインの測定など)
  • 看護師による評価と報告の方法
  • その他、特別な注意や指示(例:患者が特定の薬にアレルギーがある場合、その情報など)

この指示書は、訪問看護サービスを適切に行うための基本的なガイドラインとなります。それによって、患者自身またはその家族が自宅で安心して医療ケアを受けられるようになります。この文書は通常、医師と訪問看護師、患者(またはその代理人)の三者で確認、調整されます。 訪問看護指示書は、状況に応じて更新され患者の状態に変化があった場合や新たな医療処置が必要となった場合などは指示書を見直し必要な修正を加えることが一般的です。

自律した判断も時には必要

訪問看護の内容はケアマネージャーや医師の指示のもとに行いますが、緊急を要するケアがある際は自分一人で対処したり、電話で医療機関と連携をとるなどの判断も必要になります。

医療保険、介護保険、保険なしで働き方は変わる

保険内の訪問看護と保険外の訪問看護では働き方に違いがでます。                    保険内の訪問看護はケアプランや計画により、訪問時間が決まります。そのため、緊急で予定外の訪問や道路状況、交通状況に問題がない限り時間通りに仕事が進みます。 しかし、保険外の訪問看護については制限がありません。各事業所によってどんな特徴があるかにもよりますが、先に予約が入っていて計画どおりにすすむ場合もありますし、単発で急遽受診付き添いや移送依頼が入ることもあります。また土日にご家族の休みに合わせて旅行や一時帰宅する場合も多いことも特徴ですね。

働く場所

訪問看護師は患者さんの自宅でのケアや病院への通院、一時帰宅をサポートするのが主な業務になるので、事務所で他の看護師と一緒にいる時間は病棟やクリニック勤務と比べるとかなり短いです。

  • 訪問看護師:患者の自宅や介護施設を訪問してケアを提供
  • 病棟・クリニックの看護師:病院やクリニック内でのケアを提供

訪問看護ステーションは事業所の規模が小さいところが多く、ほとんどが看護師数が5人〜10程度の事業所になります。スタッフと一緒にいる時間が短いため、人間関係が濃密すぎないというメリットはあります。

訪問看護師が複数人で動くこともある?

訪問看護師が複数名で訪問看護に入る場合もあります。精神分野の訪問ではしばしば見かけますが、その他にも一人では負担が大きいケアの場合主治医の許可をとって(指示書に必要事項の記載が必要)複数名で入る場合があります。                                                 例)体格の大きな利用者様で入浴介助をしなければいけないが、足に力が入らず転倒の危険も大きい。ただし、医師の許可のもとで複数で訪問に入ると加算があるので介護度などをよく考慮して他に最善の方法はないかを関係各所と相談することも大切です。  

訪問看護に運転免許は必要?

自動車の運転免許は必ずしも必須とはいいきれません。というのは、免許があった方が就職活動の幅は広がりますが、免許がなくても施設内の訪問看護やまれにドライバーのいる訪問看護があったりすることもあります(後者はかなり少ないと思います)また、都会の方で雪の降らない地域であれば移動に電動自転車を使う事業所も多いでしょう。ただ、運転できると幅は確実に広がります。

夜勤は事業所の待機はなし

夜勤についてですが、よく勘違いされる方がいます。事業所に待機しての夜勤はありません。ただ、オンコールといって24時間の契約をしている利用者さんから夜間緊急の連絡があった場合に対応する当番が月に平均8回から10回程度回ってきます。待機用携帯を持ち夜間電話がかかってきたら応答、必要時は現場に出動することもあります。ただ自宅での待機になりますのでそこまで気を張ってということはないでしょう。

新卒でも訪問看護師にはなれる?

結論から言うと、新卒でも訪問看護師にはなれます。

最近では新卒の看護師を受け入れている訪問看護ステーションも増えてきました。新人教育・研修プログラムがあるため、いきなり一人で仕事場に行くことはありません。

研修プログラムは以下のようなものがあります。

  • 基本業務
    訪問先での対応方法、患者や家族とのコミュニケーション方法、訪問看護の具体的な業務フローなどを学びます。
  • ケアプランの作成
    訪問看護では、様々な症例や背景を持つ患者に対応するため、症例別のケアプラン作成の方法を習得することが求められます。
  • コミュニケーション方法
    患者や家族とのコミュニケーションは訪問看護の重要な要素です。効果的なコミュニケーションの方法や、難しい状況での対応方法などを学びます。
  • 安全対策
    患者の自宅や施設での業務になるため、安全対策や緊急時の対応方法を十分に習得することが必要です。

訪問看護師になるために読んでおくべきおすすめの本

最近、新卒の看護師さんも訪問看護の世界に飛び込んできてくれる看護師さんも多い印象です。                           しっかりとOJTや社内研修を行っている事業所も増えてきています。初めて訪問看護の世界に入る看護師さんや、新卒さんはまず手技についての手順や物品の基礎が載っている本を読むのが先決です。

参考になるのはおすすめの本は以下です。

【よくわかる在宅看護 改訂第3版】

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↑こちらの本は写真も多くイメージがつきやすいです。

また、訪問看護ではフィジカルアセスメントがとても重要になります。訪問してみて「なんかいつもと違うな」だけでは伝わらないですし、その場にみんないるわけではないのでしっかりと何がどうなのかを伝えられるように頭にたたきこんでおくといいかと思います。

訪問看護師は保険の制度についても知っておくといい

既卒の看護師さんは基礎が固まっていますので、仕事の理解を深めるために保険についての本を読むことをおすすめします。病棟ではコストや経営に関して知ることがほとんどないかと思います。しかし、訪問看護では、一人一人が訪問した件数が事業所の収入に直接関与するため介護保険と医療保険の違いやどんな疾患がどちらの保険を使った訪問看護になるのかなとイメージできると理解もしやすいかもしれません。

【たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル 第7版】

という本はわかりやすいという声も多いです。

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プロフィール
この記事を書いた人
訪問看護師K

看護師歴16年、訪問看護ステーションに7年勤務して訪問看護師として独立しました。わかりやすく訪問看護に関する情報を記載することを心がけています。

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