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転職での訪問看護ステーションの選びのコツ

仕事内容

職場を探す時、長く働けたり環境の良い訪問看護ステーションを選ぶにはどうすればいいのか、考える方も多いと思います。

病院やクリニック勤務から訪問看護ステーションへ転職を考えている方、すでに訪問看護業界の看護師さんが別の訪問看護事業所へ転職される際に気を付けておきたい職場選びのコツやポイントを現役訪問看護師の私が解説します。

看護師歴16年、訪問看護歴7年で4つの訪問看護ステーションで働いた経験から解説します。

労働条件から選ぶ訪問看護の求人

まずは気になる労働条件の部分から訪問看護ステーションの職場の選び方を紹介します。
ポイントは5つあります。

労働条件選びのポイント
  1. オンコールの回数
  2. 土日休み
  3. 休日数の目安
  4. 給与、ボーナス、昇給、退職金
  5. 福利厚生や産休
  6. 働き方は常勤か非常勤か

それぞれ以下で詳しく解説していきます。

オンコールの回数

オンコール回数の目安としては、日本看護協会の資料によると1ヶ月の平均回数は以下のようになっていました。

正規職員 9.6回
短時間勤務職員 4.3回

訪問看護事業所は、事業所全体で必ず誰かが毎日オンコール体制を作るルールになっています。

例えば従業員が5人で均等にオンコールを振り分けると、1ヶ月(30日) /5人 = 6、つまり1ヶ月に6回はオンコールを持つことになります。事業所の人数が少ないとオンコールを持つ回数も増えます。

つまり、従業員が多いほどオンコールの負担が減っていく仕組みになります。

オンコールの回数を少なくしたい場合は、基本的にスタッフの人数が多い訪問看護ステーションを選ぶ必要があります。
人数が少ない事業所でも、ママさんはオンコールなし、という事業所もあります。

オンコール手当と実際の稼働について

オンコール手当は、1回当たり1000円から3000円が相場になります。

オンコールで実際に動くことが必要だった回数は、平均して月1回という統計データがあります。

土日休み

訪問看護業界で働くメリットの一つとして、土日休みだと答える方も多いです。
ただ、訪問看護を利用するお客様からすれば土日も稼働しているところの方がニーズがあるので、事業所の方針として土日を休みにしているかの確認は必要です。

休日数の目安は年間110日から130日

日本看護協会のデータによると、訪問看護での休日数は月に平均して

  • 管理職:7.9日
  • 中間管理職:8日
  • その他職員:9.6日

となっています。多くの事業所が年間110日以上になります。

また、看護師全体のデータでは77%が年間総休日数が110日以上となっています。

となっています。目安としては年間休日が110日を下回ると休日が少ない職場ということになります。

給与、ボーナス、昇給、退職金

訪問看護師の平均的な年収は、400万円から500万円になります。

フルタイムで働く訪問看護師の月額の平均給与は33万7000円 です。
※諸手当て込みの税込支給額
(厚生労働省の訪問看護2014年のデータより)

事業所によって、施設訪看か在宅メインかによって差があります。施設訪看は、主に有料老人ホームやサ高住への訪問看護になります。在宅の場合は利用者さんのお宅でのケアとなります。

管理職になると年収が上がる傾向で、転職サイトでは年収500万円以上の求人もあります。

ボーナス

病院より少ない印象ですが、人事考課制度やインセンティブで頑張っている人や多く訪問件数をこなすともらえる額がアップするところもあります。志望する事業所の評価方法を確認しておきましょう。

昇給の実績

給与に関しては昇給実績があるかどうかもポイントになります。

昇給タイミングが年に何回あるのか、実績はあるのかを確認しておくことが大事です。

小規模な訪問看護ステーションでは昇給率は実態として低い傾向になります。

2023年の日本病院会の統計調査では、看護師の給与の上昇は定期昇給が1.4%、ベースアップが0.5%で合計2.0%の増加となっています。

退職金

退職金に関しては職場や勤続年数によって大きく異なるため、一般的な病院勤務看護師のおおまかな目安として

  • 勤続3年以上 30万円
  • 勤続10年以上 200万円から300万円

と言ったものはあります。ただ、訪問看護業界自体が新しく伸びてきた業界なので長期で勤続している人が少ないという現状もあり、訪問看護での相場は定まってはいない状態です。

福利厚生や産休が取れるか

福利厚生については職場によって差が大きい印象です。

私が働いた職場で実際にあった例としては

  • 自社で鍼灸グループも持っていて無料で受けられる(回数制限はあり)
  • コストコの会員料金を会社で負担
  • ジムの費用を一部会社負担
  • 自社のフランチャイズしているお店の料金が安くなる

また、全く福利厚生がない事業所もありました。

産休に関しては、どこの職場も取りやすい印象でした。

職場に簡易的な託児所を設けて子供を一緒に連れて行けるところもありました。

常勤か非常勤か

常勤は、フルで勤務する働き方。オンコールも持ち、土日勤務がある事業所であれば土日もシフトで勤務します。

非常勤は、時給〇〇〇円~で週に数日勤務する働き方。ダブルワークが可能な方や主婦の方にお勧めの働き方です。ただ、事業所によっては訪問時間分のみ給与が発生するところもあるので注意です。

職場の環境から選ぶ訪問看護の求人

事業所の環境については、以下を基準に選ぶのがおすすめです。

職場の環境から選ぶ基準のポイント
  1. 人間関係やスタッフの在籍歴
  2. 訪問件数
  3. 直行直帰
  4. 離職率
  5. 事業所の特徴

それぞれ以下で詳しく解説していきます。

人間関係

難しい部分ではありますが、面接時に雰囲気を聞いたり感じたりして確認します。
職場見学や同行見学を実施している事業所もあるので参考になります。

また、転職エージェントを使う場合はどんなスタッフさんの年代・在籍歴や雰囲気なども面接前にエージェントが教えてくれることもあります。

訪問件数

多くの事業所は1日4-6件の訪問件数です。

しかし、30分訪問で件数を多くとっている事業所もあります。
私が働いている北海道は短時間で多く訪問形式だと冬道でトラブルがあった際に大変なのでそのあたりの地方の特性も加味して選ぶことも重要ですね。

直行直帰

事業所によって直行直帰が可能なところもありますし、1回は事業所によってみんなで顔を合わせようというところもあります。自分の働きやすい形態か確認しましょう。

離職率

直接、離職率を聞くよりは「現在のスタッフさん達の在籍年数を教えてほしい」というような聞き方をするといいです。離職率の高い事業所が悪いということはないですし、改善中という前向きな捉え方もできますが、何かしらの問題が隠れている可能性が高いです。

事業所の特徴

事業所ごとに精神科をメインとしていたり、早朝から夜20時までと長時間営業しているところ、要支援メインで活動しているところや障がい者のグループホームでの活動がメインの事業所などなど色がたくさんあります。

その事業所が何を売りにしている訪看で自分のスキルや希望が叶うかすり合わせや調査してから面接することをお勧めします。

見学や紹介予定派遣、短期バイトなどでまずはお試しで働いてみると確実

ミスマッチを避けるためには働き始める前に、事業所の状況を知っておくことは大事です。

そのためには見学だけでなく紹介予定派遣や短期バイトとしてまず働いてみるのも手です。

私も実際に幾つかの職場で紹介予定派遣で働いてみて雰囲気を知ってから正社員になることがありました。

転職サイトでは紹介予定派遣が可能なサイトも多くあり、働いてみて良さそうであれば正社員になることができます。
※訪問看護業界では一般的な派遣社員は禁止されており、紹介予定派遣のみになります。

紹介予定派遣はずっと派遣でいるのではなく、双方が問題なければ正社員になる前提での派遣になります。

知人が勤めているところの情報も重要

転職では知人からの紹介や、知人がすでに勤めている職場からの紹介もその職場を知る上で重要な情報になります。

面接や転職エージェントからの情報ではわからない細かな社内の規則や事業所内の人間関係がわかるため自分の希望とマッチしているかを判断しやすくなります。

ただ、転職あるあるなのですが、誘ってくれた友人や知人が先に辞めてしまうということもよくあるので注意が必要です。

 

 

 

プロフィール
この記事を書いた人
訪問看護師K

看護師歴16年、訪問看護ステーションに7年勤務して訪問看護師として独立しました。わかりやすく訪問看護に関する情報を記載することを心がけています。

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